信頼関係の構築 日本療術学会発表
信頼関係の構築と云うテーマで今年度大阪で開催された「日本療術学会」で発表を致しました。
負のスパイラルに陥ったクライアントに対して、不調に関連する筋骨格の調整をすると共に精神面でのサポートを併用した症例を報告する。
<施術手順>
フィジカルアセスメントにて的確にクライアントの状態を把握する。特に聞き取りを重要視する。EBMの補完としてNBMを取り入れる
EBM:Evidence-based medicine:科学的根拠に基づく医療
NBM:Narrative Based Medicine:痛みの物語に基づく医療
1 クライアント:痛みの申告
2 疑問 :痛みの等の聞き取り
3 質疑応答 :症状の分類
4 評価鑑別 :情報を元に鑑別
5 施術者 :施術方針を提示(判断)
6 クライアント:同意or拒否
7 低周波療法 :主訴の患部に通電
:頚部・腰仙部に通電
8 全身調節 :療術基本手技 大阪方式
:主訴部位等の調整
9 再チェック :状態確認
10 施術計画 :次回の予約等
評価鑑別:
・ペインスケールによる痛みの度合い
・歩行時および座位より立位時の体重移動
・左右の大腿四頭筋を比較
・左右の大腿四頭筋筋力検査
・左右の股・膝・足関節可動域検査
施術方針の提示(説明)
・左右の大腿部の太さの違い及び筋力の違い
・かばい足の為歩行及び姿勢バランスの不良
・痛みの恐怖による負のスパイラルに陥いる
・無意識化の日常生活姿勢を意識化への転換
・低周波療法および軽運動を導入
・クライアントの同意のもと施術開始
結果
クライアント側
・痛みのスパイラルを理解し気持ちが前向きになる
・左右の比較にて客観的に見つめる事が出来た
施術者側
・一度の施術で問題の解決は出来ない
・長期の施術が必要の旨を伝え3ヵ月間月に2回の施術
・6ヵ月間の施術にて痛みの軽減、筋力等の改善がみられる
・現在は3週間に一度の来院にて施術を行う
<考察>
身体の一部の機能に長期間障害が生じると代償行動パターンを構築し、元の主訴部分の痛みに加えて他の部位にも痛みや不具合が生じる。また、二次性の部分が主体になる場合もあり、精神的にも影響を及ぼす。
医療機関を受診するとき、レントゲン検査等で異常がなければ原因不明となり益々精神面にも影響を及ぼすと考えられる。
療術師は今ある現状を丁重に聞くことにより、施術者側の提案とクライアントが望む結果を話し合うことにて、負のスパイラルからの脱却を目指せるのではないかと考察する。
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